痴呆、アルツハイマー病

お年寄りになるとボケると良く言いますが、一般にお年寄りは物忘れをし易いものです。
物忘れはちょっとしたことでしたら、誰でも経験がありますが、ついさっきのことを思い出せなかったり、 今、食べた食事のことを忘れたりしたら、それは痴呆です。高齢者の場合は老人性痴呆症と呼びます。 物忘れだけでなく、話が通じなかったり、言っていることがめちゃめちゃだったりします。また、変な行動をしたり、 わけのわからない事を言ったり、テンションが上がったり、下がったり、これらの症状があります。

一般にもの忘れは、中年層の人にも見られます。ですが、ちゃんと考えれば思い出せたり、 人から聞いたら「ああ、そうだった!」と確認できたりします。

例えば、テレビに出てくる芸能人を見て、名前が出てこない場合があっても、家族に教えてもらえれば、 「そうか!」と納得して解決します。これが、老人性痴呆症の人はどうでしょう。その人に対することを全部 すっかり忘れていて、知っている人物なのに、見たこともない人だと思うことになります。一般にボケと言われるものは 、医学的には痴呆と言い、その定義は、一度、得た知的機能が、何か病気のため、極端に低下した状態となっています。 ですから、良く言われる「知恵遅れ」、または、年寄りの物忘れ、これらは医学的に痴呆とは言わないのです。 老人性痴呆症と言う病気には種類があり、「アルツハイマー型痴呆」と「脳血管性痴呆」、 また「仮性痴呆」があります。では、お年寄りの痴呆症でアルツハイマー型痴呆と言う病気はどのようなものなのでしょうか?

原因は不明の病気で、初老期や老年期に始まる痴呆のことです。 65歳前に痴呆が発症した場合、アルツハイマー型痴呆と呼びます。 そして、65歳以降に発症した場合、老年痴呆と呼ぶケースもあります。 症状についてですが、これらは似ていますので、双方を合わせてアルツハイマー型痴呆と呼ぶことが一般的です。

アルツハイマー型痴呆は、年寄りがなり易い痴呆性疾患の中では、脳血管性痴呆の次に多い病気なのです。 アルツハイマー型痴呆は、女性のほうが男性よりなる確率が高い病気です。 どうして、女性のほうが多く発症しているのでしょうか?

それは、女性のほうが男性より寿命の長いことが理由です。 アルツハイマー型痴呆は、その病気の原因が解明されていないので、治療法がありません。 ですから、発症後は10年ぐらいを過ぎたところで死亡してしまうケースがほとんどなのです。 お年寄りに見られるボケと言うものは、アルツハイマー型痴呆である場合もあり、その発症は、急激ではありません。 なんとなく始まっている物忘れが初期症状であることが多いです。 例えば、人の名前を思い出せなかったり、約束や予定を忘れたり、何を何処に置いたか思い出せなかったりと、 お年寄りなら誰でもありえるようなことなので、これが痴呆なのか判断が難しいところです。

年寄りだからなのか、それとも病気なのか、本人にも周囲にもわからないでしょう。 この後、アルツハイマー型痴呆の場合、記憶障害がどんどん進行します。 その進行の度合いは人によって急に進むこともあり、ケースバイケースです。 初期症状や、出現経過は、誰もがほとんど一緒です。

ですから、すでにアルツハイマー型痴呆を発症している患者の経過と照らし合わせてみれば、 単なる年寄りのもの忘れなのか、病気なのか、わかるでしょう。 アルツハイマー型痴呆は、突然、ある日、記憶障害の症状が出てきます。 それが徐々に進み、そのうち、今まで難なく仕事をしていた人も、社会生活が送れないほど、 能力が落ちたりする場合もあります お年寄りだけに発症する病気でもなく、バリバリ仕事が出来ていた人が何も出来なくなるケースもあります。 これは精神的にも、とてもショックなことです。

本人はもちろんが家族にもショックなことですが、では、この後、どのように症状が進むのでしょうか? この後は、もっと痴呆が進み、日常生活がままならないほど、障害が出てきます。 家から出かけたら戻る道がわからなくなったり、家族の名前が思い出せなかったり、簡単な計算できなくなったりします。 今日が何月何日だか、わからなくなることもあります。

言葉も思うように口から出ずに、言葉も忘れてきて、会話が成り立たなくなります。 もっとひどくなると、冬で寒くても半袖を着てしまったり、夏に厚手のコートを着たりと、 時期にあった服を選択できないような状態になります。 つまり、今の状況を判断して、適切な行動を取れないと言うことです。 年寄りがなりやすいアルツハイマー型痴呆は、更に進行すると、服を着ることも1人で出来なくなります。 そして、トイレに行けなくなったり、手助けや介護が必要になったりします。 やがて、尿失するようになり、トイレに行きたいということも、わからなくなります。

言葉も出なくなり、歩かなくなり、ついに寝たきりとなるのです。 では、お年寄りがこのようなアルツハイマー型痴呆になってしまった場合、どのような処置が必要なのでしょうか? この病気は少しずつ進行するので応急処置などは、特に必要ありません。 家族の助けがいるようなら、手伝ってあげて下さい。 ただし、何でもやってあげるのではなく、なるべく自分自身でやらせるようなサポートが必要だと思います。 では、お年寄りの痴呆、老人性痴呆症の脳血管性痴呆とはどのような病気なのでしょうか? これは、アルツハイマー型痴呆症がその原因がわかっていない事とは反対に、脳血管性痴呆は、 理由がわかっていて脳血管障害によって痴呆が発症した病気です。 日本では、お年寄りに最も多い痴呆ですが、この脳血管性痴呆になってしまった人の脳の中では、 一体何が起こっているのでしょうか? ます、脳の血管の中で血液の流れが詰まったり、血管が破れたりすることで、血液が脳の隅々に行き届かなくなります。

そうして、脳は酸素が不足し、栄養も不足している状態になります。 そうなると脳細胞は機能が低下してしまいます。 血液の流れが悪くなったり、出血したりして脳細胞が死滅することは脳梗塞と同じ、脳出血なのです。 ですから、脳血管障害の起きた部分によっては、脳卒中によって、痴呆になることがあります。 脳血管性痴呆とは年寄りの病気であり、老人性痴呆症の一種です。 この痴呆の始まりは、脳血管障害の後、突然、現れるケースと、いつ痴呆が始まったのか、わからないケースがあります。

脳血管性痴呆の進み方は、アルツハイマー型痴呆と同じで、 少しずつ進むケースもありますが、改善したり、症状の進行が止まったりする場合もあります。 症状としては、記憶障害や、判断が出来なくなる、理解する力がなくなる、物を使うことが出来なくなる、などがあげられます。

また、失認と言われる、目で見えてはいるが、その物が何であるか、理解できない状態になることもあります。 発症早期の中では、脳機能が一部分で保たれていて、 痴呆がまだらに現れることから「まだら痴呆」と呼ばれる病気もあります。 アルツハイマー型痴呆と比べてみると、どのような違いがあるでしょうか? まだら痴呆では、早期から尿失禁などが起こります。また、まだら痴呆の患者は、 お年寄り自身が自分のことを病気だとわかっていること、その人の人格が保たれていることなどが特徴です。

そして、動脈硬化が危険因子となることから、高血圧や糖尿病、高脂血症の方は特に脳卒中になる可能性があります。 また、脳血管障害による、体の麻痺、知覚障害が現れます。 脳血管性痴呆については、転倒したり、怪我をしたりなど、外傷に気をつけることです。 また感染症などにも十分に注意しましょう。

ですが、この病気に対しての緊急に必要な処置はありませんので安心して下さい。

当院では手技療法及び運動療法にて患者さんの運動神経、感覚神経を刺激し脳神経を活発にさせ痴呆、 アルツハイマー病の予防や進行を遅らせるような治療を行っています。

手技療法

末梢筋肉を刺激する手技療法で新陳代謝を活性化させ、脳の働きを活発にする。

運動療法

末梢部から運動神経や感覚神経を刺激する運動療法で脳につながる神経シナプスを活発にさせる。