脳卒中

お年寄りのなりやすい病気の1つに、脳卒中があります。 脳卒中は、高齢者に多い病気で「加齢病」とも言われています。 つまり、お年寄りほどこの病気になる確率が高いと言うことです。中でも、脳梗塞は、お年寄りの発症率が高い病気です。

80代の男性と50代の男性を比べると、80代の男性は50代の男性に比べて10倍以上、 脳梗塞になる確率が高いというデータもあります。

男性よりも女性のほうが、年齢で10歳ほど遅く、発症率が高くなると言われています。 脳出血の場合も同じく、高齢になればなるほどその発症率は高くなります。 脳出血は脳梗塞と違って男女の発症率の多い年齢は差がありませんが、 脳出血になる方は男性に多く見られ、女性はあまり発症しません。

ですが、くも膜下出血となりますと、女性に見られる頻度が高くなります。 これらはどれも血管の老化が原因で起こる病気です。 年齢が上がると共に、脳の血管の動脈硬化が現れてしまい、それが進んだ結果、脳出血や脳梗塞に繋がってしまうのです。

そして、動脈硬化が進んでしまうことには理由があり、動脈硬化の危険因子と呼ばれています。 それは高血圧であること、糖尿病であること、そして高脂血症であることです。誰しも年を取ることは止められませんし、 血管の老化も止められません。

あとは食生活や生活習慣によって、どれほどその老化を遅らせられるかと言うことだと思います。 お年寄りで発生率が高い病気の一つが脳卒中です。

脳卒中にもいろいろな種類がありますのでここで詳しくお話して置きましょう。 お年寄りと一緒に暮らしている方は、明日は自分のおうちに起こることかもしれません。

他人事ではなく、脳卒中について、少しでもこの病気のことについて、知っておくことをお勧めします。

さて、65才以上のお年寄りがかかってしまう脳卒中の中で、種類別にしてみますと、どんな風に分類されるのでしょうか。 その中の80パーセントが脳梗塞と呼ばれている虚血性脳卒中です。 ですから、 脳卒中と言われる病気のほとんどが脳梗塞と言うことになります。

そして、 残りの20パーセントが出血性脳卒中と呼ばれる病気で、一般に脳出血と呼ばれるものであったり、 くも膜下出血だったりします。では、脳卒中の8割りを占めている脳梗塞と言う病気は、どんなものでしょうか? 一言に脳梗塞と言っても、その中でも更に分類することが出来ます。 このうち 40パーセントを占めている、ラクナ梗塞と呼ばれているものが、梗塞の直径が1センチ5ミリ以下の小梗塞です。

そして、およそ 30パーセントがアテローム血栓性脳梗塞であり、また、30パーセント弱が心原性脳塞栓症となり、 このように細かく分類されています。

これらの病気で、お年寄りがなり易いものは、心原性脳塞栓症です。 70才以上のお年寄りになりますと、一般的に心原性脳塞栓症と言う病気になる頻度が高くなると言われています。 これらの原因は、不整脈の心房細動であり、お年寄りに多く見られる症状です。 心臓の中に出来てしまった血栓が飛び、それが怖いことに脳血管を閉塞するのです。

そしてその結果、大梗塞が起きてしまうのです。では、お年寄りが脳卒中になったら、どのような症状が現れるのでしょうか。

お年寄りと一緒に住んでいる方は、よく覚えておいたほうが良いでしょう。 脳卒中になったからと言って、みんなが倒れるわけではありません。 軽いものですと、普段の生活を送りながら、症状が出始めています。 他の病気と同じく、脳 卒中も早期発見が大切です。 脳卒中は、お年寄りが起こした場合、意識障害になることがあります。

意欲がなくなり、自分で思うように体を動かせなくなります。 また、認知機能が衰えることもあります。 ですが、一般に意識障害は発熱や脱水症状でもなることがあるので、 それが脳卒中かどうかきちんと判 断しなくてはなりません。 そもそも、お年寄りが脳卒中になった場合の一般的な発症の様子はどのようなものなのでしょうか。

脳出血の場合は、頭痛や片麻痺、それに言語障害が起こります。 それが意識障害で始まって、発症後の数時間で症状は完成してしまいます。

脳梗塞の中で、もっとも多いラクナ梗塞は、症状に片麻痺や言語障害が、だんだんと起こってきます。 ですが、症状はわりと軽くて、意識障害もないケースが多いです。 次に、アテローム血栓性梗塞と言う 病気は、 ほかの脳梗塞と比べて、急に発症します。 そして、段階を踏んで症状が悪化して、 症状がすべて出るまでに、数日かかることもあります。症状が全部出るまで一番長くかかる梗塞です。 また、心原性 脳塞栓症はアテローム血栓性梗塞とは反対で、短い時間に、症状がすべて完成します。

心原性脳塞栓症になった場合、意識障害も強く起こり、それが大梗塞になってしまえば生命の危険があります。 ですが、症状が急に軽くなったり、良い場合は消えたりすることがあります。 それは、脳血管に詰まっていた血栓が溶け、止まっていた血液がまた流れ始めるためです。 血流が良くなれば、症状も消えてなくなります。

お年寄りの場合は、脳卒中のどの病型になったとしても、みなさん、 嚥下障害(えんげしょうがい)になる可能性が高くなります。 嚥下障害とは,あまり耳なじみののない病気でしょう?

嚥下障害は、病気や老化で、口に入れた食べ物を噛んだり、飲み込んだりする力がなくなることを言います。 これはお年寄りがなることが多いです。私達は、普段食べ物を口に入れたあと、 咀嚼してから、舌を使い、喉へ送っています。それを嚥下(えんげ)すると言います。 喉は呼吸にも使われて、その場合、空気も通ります。 この空気が通る気道ですが、食べ物が通るときは、空気を通るラインが一時、遮断されるようになっています。 ですから、嚥下の瞬間だけ、気道が閉じ、食道が開き、食べ物を下へ送るのです。 この運動が関わっている神経が病気によって障害が起きたり、体の筋肉に何か障害が起きたりした場合、 嚥下障害と言われます。では、お年寄りが脳卒中で倒れた場合、その後はどれくらい回復するのでしょうか。

それは、その病型や重症度によってもちろん違ってきます。 脳卒中で寝たきりになってしまうと、筋力がますます低下し、日常生活動作もできなくなります。 ですから、脳卒中になった場合は、発症してから早期のうちに機能訓練をすることが大切です。 また、退院してからも長期に渡って訓練をすることが大切です。 70才以上のお年寄りになりますと、家庭では介護が必要となる場合が増えて、施設に入る方もいます。 脳卒中の発症以後、寝たきりになってしまった方は4割弱であると言うデータもあります。 また、痴呆になってしまう確率も高くなります。では、お年寄りが脳卒中になってしまった場合、 治療とケアはどのようにしたら良いのでしょうか。

まず、手や足がしびれる、話しているが、ろれつがまわっていないなど、 脳卒中の前兆とも言える症状に 気が付いたら、すぐに病院で診察を受けて下さい。 病院は神経専門病院などの専門病院が良いでしょう。お年よりは脳卒中によって 意識障害や嚥下障害、そして心肺機能が低下してしまうケースがあります。 また、感染症や電解質異常で脱水症状などの病気も併発しやすいので、全身にわたってケアすることが必要です。 また、病気が再発することを予防しなければなりませんから、高血圧を治療することも重要です。

他にも脳卒中の原因と言われている動脈硬化、高脂血症なども治療していくことが大切です。 脳卒中は簡単に言うと色んな血管や循環系の問題で血行が順調にまわらなくなり起こる疾患です。 当院では手技療法・物理療法にて高血圧、高脂血症、動脈硬化などの血管の疾患を体の外側からケアして、 血行を促進させる脳卒中の予防治療を行っています。

手技療法

頚部の筋肉をほぐすことで脳への血行を円滑にする。

物理療法

頚部の彎曲を生かした負荷のない安定姿勢での温熱法で脳につながる血管を拡張させる。